日記と小物語
温暖化現象
温かいママのお腹で産まれたボクは
温かい空が好き。
温かい花が、好き。
温かい笑顔の人が好き。
温かい笑顔のキミと手を繋いでクルクル回った。
キミとハグをした。
ある人が不思議そうに、ボクに言った
「あなたは男の子?それとも女の子?」
ボクは言った
「分からない。その時の気分や側にいる人によるかな。」
その人は言った
「おかしなあなたを治してあげるよ。」
ボクは言った
「ボクは雑魚ではないよ。広い海を泳ぐ亀なんだ。ボクに治療は要らない。一人の人間として寄り添ってくれれば、いいんだ。
センスが無いFワードに依存している大勢の人達がいる未来を嘆いたほうがいいよ。」
奪われたこころ
目を覚ますと、見渡す限り真っ白な部屋だった。
壁も床もソファーもカーテンも白かった。
何も物を置いていない無機質な部屋だった。
窓が空いていた。
カーテンは半分開けられ、風に沿って真っ白なカーテンが窓の外に押し出されていた。
私は盗人が部屋に入ったことに気付いた。
出ない声を何度も何度も押し出そうと試みた。
とても苦しかった。
ついに声が出た。
そして、私は不安を叫んだ。
「泥棒!」
目を覚ました。
明け方の夢だった。
渇いた喉と共に、何時なのかを確認するためにスマホを見た。
“会いたい“
“会いたい”
"会いたい"
メールを受け止めた。
再び深い眠りを受け入れた。
呼吸
音楽を聴くと物語を書きたくなり、
絵を見るとオブジェを作りたくなり、
仕事をすると日記を書きたくなり、
本を読むと点と点を繋げたくなり、
自然を見ると香りを作りたくなる。
トーキョーにきてから、いい香りが作れてない。
たしかなことは無い
たしかな事は空は綺麗で生きている事。
不確かな事は愛が行き来する事。
たしかな感情など何も無い。
昨日有った感情は今日には無い。
今日有る感情は明日には無いのかもしれない。
感情がある事は確かだ。
不確かでも何も無いよりかは、ちょっと楽しいのかもしれない。
男と女
世界人口の爆発と共に生物学上の女性数が少なくなり、生物学上の男性数が多くなる時代がきた。
それと共に日本の婚活市場では一人の女性を巡り多くの男が群がり争奪戦が始まる時代となった。
婚活アドバイザーが男に言った
「男は愛嬌です。あなたは、今のままでは他の婚活中の男性に負けてしまいます。女性の自尊心に細心の気遣いを示していますか?」
すると男は言った。
「こまめにLINEをしていますし、愛情表現も欠かしていません。」
「それは、当たり前の事です。小学生でも出来ます。女性の感情を汲み取りながらLINEをしていますか?」
「は、はい?心理学者ではないので中々難しいです。」
「でしたら、勉強して下さい。女を、いかに楽しませ、気分よく働かせ、育児にも参加し家事も多少参加してもらうように促す。それが男の仕事です。」
「ボクは平成生まれなので難しいです。」
「何時代に生まれても変わりません。
今の時代は、男と女は闘魚です。
巣を作って子の養育にあたるのはオスであってメスではありません。
もっと女性を喜ばせるために、体型を鍛え、髪型服装に気を遣い、料理、掃除洗濯、そして育児を完璧にこなさなくてはなりません。
今の時代、男は何より愛嬌です。仕事だけをしていればいいと思っていませんか?
女は他の若くて賢い気立てのいい男にいきますよ。」
「互いに働きながら子育てをしていきたいのですが、、」
「女は妊娠、出産、母乳を与える事が必然的に強いられます。
昔は、よくコラムやネットで、いかに女性は男性の自尊心を高め、男性が仕事に集中出来るように、あまり干渉せず、仕事の忙しい時は応援と気遣いのLINEを送り、安らぎを与え、男を失望させないような声掛け、重すぎないようにいい女を演じ、スタイルや服装も男に喜ばれる物を身に着けるよう指示されていました。
そして、男からの連絡を待ち、男の機嫌を取り、他の女へなびかないようなテクニックを指示されていました。
男は女が平伏するのを当然のように待っていた時代です。
今この2035時代、女が男を選び、男は女に選ばれるのを待つ時代になったのです。」
「ボクは女の人からプロポーズされるにはどうしたらいいのでしょいか?」
「結婚しなくても死にはしません。まずは、自身を磨きなさい。そうすれば、結婚より大事な物が見えてくるでしょう。その時にあなたの色彩はより輝くでしょう。」
「でしたら、
身体が震えるほどの魅力的な女性に出会った時は、鰭をちぎれんばかりに広げたいと思います。」