日記と小物語

2024-08-14 00:49:00

迷える子羊

「この中にあなたの大切な物を一緒に詰め込みたいの。」

少女が小さな空き瓶の蓋を開けながら言った。

 

「私の大切な物ではなく、あなたの大切な物を詰めたら。」

 

すると、その少女は言った。

「私は苦手だった物が大好きになったの。みんなより気が付くのが遅かったの。」

 

「今のあなたが大切だと思う物を信じなさい。決して私を信じないで下さい。」

 

蓋を開けると甘酸っぱいイチゴジャムの匂いがした。

 

アロマ空間デザイナー kayo