日記と小物語

2024-06-14 23:59:00

人鳥 fisherpenguin

早く遠くへ泳ぎたいだ。

 

みんなよりも先に一番に、海へと跳び込んだペンギン君。

 ペンギン君の背中から出る泡が水の中でキラキラと綺麗に光った。

みんなが、イカや魚を咥えて戻って来た中、ボクだけ白い卵を口の中に、大事に、そっと温めながら戻って来たんだ。

みんなが、「それは、鳥の卵だよ。キミは、何処も泳いでいないじゃないか。」と言った。

 

ボクには飛べる羽が、有るのかもしれない。

いや、ただ単に一番に海へと跳びこんだだけだ。

 

「ボクは泳いだよ。」と答えた。

「泳ぐぐらいなら誰でも出来るよ。」と、みんなが言った。

 

イカや魚に飽きたんだ。

 

ボクは美味しい玉子を食べたい。

 

みんなの前で卵の先端を割って平らな場所に置いてみた。

 

ボクには、この卵が有る。

 

みんなが、不思議そうに凝視した。

「誰の卵なんだろう?」

 

 

 

 

〜MV〜 コロンブス×ファーストペンギン×ペンギン×ハイデガー哲学 存在〜

 

 人はヒト科ヒト族ホモ・サピエンスである。