日記と小物語
2025-01-04 22:35:00
奪われたこころ
目を覚ますと、見渡す限り真っ白な部屋だった。
壁も床もソファーもカーテンも白かった。
何も物を置いていない無機質な部屋だった。
窓が空いていた。
カーテンは半分開けられ、風に沿って真っ白なカーテンが窓の外に押し出されていた。
私は盗人が部屋に入ったことに気付いた。
出ない声を何度も何度も押し出そうと試みた。
とても苦しかった。
ついに声が出た。
そして、私は不安を叫んだ。
「泥棒!」
目を覚ました。
明け方の夢だった。
渇いた喉と共に、何時なのかを確認するためにスマホを見た。
“会いたい“
“会いたい”
"会いたい"
メールを受け止めた。
再び深い眠りを受け入れた。